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コグレブログ

小暮工業株式会社によるブログです。
「ぼくが医者をやめた理由」永井明
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    「ぼくが医者をやめた理由」
    永井明著、角川文庫、
    1998年発行

    永井明(1947年広島県生れ〜2004逝去、死因は肝臓がん)東京医科大卒、
    神奈川県立病院内科医長、
    10年で医者を辞める

    1998年に「ぼくが医者をやめた理由」がベストセラーになる

    作家、医療ジャーナリストとして活動

     

    自分の力量でなんとかできそうな程度の苦しみに対しては、そこそこの対応はできる。

    だが、ほんとうに厳しい状況、つまり、人がもっとも助けを必要とする場面になると、もう駄目なのだ、

    他人の苦しみなど知ったことではない。

    俺は自分のことで精いっぱい。

    人のことで苦しみたくない、となってしまう。

    「もうだめです」と言えなかった。

    世のため人のため、というならまだ格好がつく。
    しかし、
    御身可愛さからそう言えないのだから、どうしようもない。

    「だめです」と言うと、根性なしと思われ、

    ほんとうに倒れるまでやれば「かわいそうに」と同情をひけるのではないか、

    すべてが正当化できるのではないか、そんなことを浅薄に考えていたのかもしれない。

    ひじょうに甘い、破滅願望とでも言うしかない。

    「なんとかなるかもしれない」、「いや、やっぱり無理だ」と自問自答を何度もくりかえし、結局

    「無理だった」と決着をつけるまで、その夜から十年近くを必要とした。

    ぼくは根性なしだから、

    難問にぶちあたると、いつも逃げることにしている。

    しかし、この問題に関しては、なぜかこだわった。おおげさに言えば、

    これをクリアしなければ一生根無し草そんな恐怖心からだ。

    恐れは人を勤勉にする。ぼくはかつてない真面目さでこの問題に取り組んだ。

    医師になりきれない

    自分のいい加減さ。

    不器用さ。

    労働と言うものへの不適応。

    他者の身に成りきれない自分の身勝手さ。

    | 永井明 | 11:14 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |