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コグレブログ

小暮工業株式会社によるブログです。
「智恵子抄」高村光太郎
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    「智恵子抄」高村光太郎
    高村光太郎は彫刻家で詩人、智恵子はその夫人
    智恵子夫人の発病、そして永別
    「智恵子の裸形を残して、わたしは天然の素中に帰ろう」

    あどけない話
    智恵子は東京には空が無いといふ、ほんとの空が見たいといふ。
    私は驚いて空を見る。
    桜若葉の間に在るのは、切っても切れない むかしなじみのきれいな空だ。
    どんよりけむる地平のぼかしは うすもも色の朝のしめりだ。
    智恵子は遠くを見ながら言う。
    阿多多羅山の上に 毎日出てゐる青い空が 智恵子のほんとの空だといふ。
    あどけない話である。

    「智恵子の半生」高村光太郎
    美に関する製作は公式の理念や、壮大な民族意識というようなものだけでは決して生まれない。
    そういうものは或は製作の主題となり、或はその動機となることはあっても、
    その製作が心の底から生まれ出て、生きた血をもつに至るには、必ずそこに大きな愛のやりとりがいる。
    それは神の愛である事もあろう。大君の愛である事もあろう。
    又実に一人の女性の底ぬけの純愛であろことがあるのである。
    自分の作ったものを熱愛の眼を以て見てくれる一人の人があるという意識ほど、美術家にとって力となるものはない。
    作りたいものを必ず作り上げる潜力となるものはない。
    製作の結果は或は万人の為のものともなることがあろう。
    けれども製作するものの心はその一人の人に見てもらいたいだけで既に一ぱいなのが常である。(男)
    | 高村光太郎 | 16:33 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |